前回の続きです。

◆第2問 問1 問題番号7
 …6世紀末には[ ア ]氏が飛鳥寺(法興寺)を建立し,…。…仏教が地方社会に浸透していくうえでの一つの拠点となったのは,律令制下で[ イ ]として地方行政を担うことになる地方豪族が建てた寺院であった。
空欄[ ア ][ イ ]に入る語句の組合せとして正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① ア 大 伴   イ 国 司
② ア 大 伴   イ 郡 司
③ ア 蘇 我   イ 国 司
❹ ア 蘇 我   イ 郡 司

 この問題は半分強の受験生しかできませんでした。「なぜ?」と驚きませんか。さらに誤答は③に偏っていて,半分弱ぐらいの受験生が選択しています。国司と郡司で間違っているのです。知識がなかったのではなく,リード文を読めていないのではないかと推測しています。ヒントは問題番号1と同様,空欄の後に「地方行政を担うことになる地方豪族」とあります。もしリード文の読み損ないであるなら,しっかりリード文を読もう!としか言えませんが。


◆第2問 問4 問題番号10
 下線部(c)に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて,古いものから年代順に正しく配列したものを,下の①~④のうちから一つ選べ。
 Ⅰ 造都を主導していた藤原種継が暗殺され,早良親王が首謀者として処罰された。
 Ⅱ 三筆の一人として知られる橘逸勢が,謀反を企てたとして流罪となった。
 Ⅲ 政権を批判して九州で反乱を起こした藤原広嗣が敗死した。
   ① Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ   ② Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ   ③ Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
   ④ Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ   ❺ Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ   ⑥ Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ

 半分以下の受験生しかできていませんでした。年代順配列だから…と言いたいところですが,文章を見ると,Ⅰは藤原種継暗殺事件,Ⅲは藤原広嗣の乱と人物名がそのまま事件名になります。Ⅱは橘逸勢から承和の変を想起しなければならず,少しハードルが上がりますが,いずれも基本的な事件に関する問題にもかかわらず正答率が低かったといえます。ちなみに正答率データを見ると,Ⅱよりも,ⅠとⅢで迷った受験生が多かったようです。
 以下の問題の正答率が60%未満であったことを考えると,政治史だからといってバカにできないのがわかります。

【参考】2016年 問題番号9 
  下線部(b)[藤原氏の氏長者]に関連して,平安時代の藤原氏について述べた文として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ
  ① 冬嗣は桓武天皇から蔵人頭に任じられ,のちの摂関家の基礎を築いた。
  ❷ 良房は他氏を退けるとともに,臣下ではじめて摂政の任についた。
  ③ 忠平は醍醐・村上両天皇の摂政・関白となって実権を握った。
  ④ 頼長は源義朝と結んで平治の乱を起こしたが,平氏に討たれた。


◆第2問 問6 問題番号12
 下線部(e)に関連して,9・10世紀の地方支配に関して述べた次の文X・Yについて,その正誤の組合せとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。
 X 9世紀前半には,大宰府管内に公営田が設置され,直営方式による財源の確保がはかられた。
 Y 10世紀前半には,荘園整理令が発布され,記録荘園券契所(記録所)が設置された。
   ① X 正  Y 正   ❷ X 正  Y 誤
   ③ X 誤  Y 正   ④ X 誤  Y 誤

 半分以下の受験生しかできていませんでした。受験生ができない,典型的なパターンの問題です。誤答は①に偏っていて,3分の1以上の受験生がYを正文と判断しています。まず,「記録荘園券契所(記録所)」から後三条天皇の延久の荘園整理令だと判断しなければいけません。そのうえで醍醐天皇の延喜の荘園整理令との区別が必要です。ここにハードルが一つあります。そのうえ,延久の荘園整理令が「11世紀後半」ということがわからないとできません。難問です。
 ちなみに以下の問題も,正答率5割を切った問題です。誤答として③を選んだ受験生が,なんと!約半数います!

【参考】2011年 問題番号11
問5 下線部(d)に関連して,9~10世紀ころの僧の動向について述べた文として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 空海は,唐に渡った経験はないものの,唐風の書の名手であった。
② 最澄の弟子円珍は,唐から帰国後,真言宗の密教化を進めた。
③ 9世紀初頭,鑑真が唐から渡来し,日本に戒律を伝えた。
❹ 10世紀半ば,空也が京で浄土教を説いた。

 日本史では歴史事項を時系列に整理していく必要があります。それは年代(西暦年)暗記をすることではなく,ある時代・時期にはどのような特徴があり,前後の時代・時期とはどのように変化したのかを理解することです。センター日本史のレベルではそこまでしなくていいと思っていますか?だからセンター日本史Bの年代順配列問題や時期判定の正誤問題ができないのですよ。時代区分・文化区分・世紀などの「時期区分」を意識して歴史事項を整理してください