久しぶりにブログを書きます。やはり原稿などもあり,普段はブログを書いている余裕はありません。
 例年通り,センター日本史B本試験の難問の分析をします。受験生は過去問を解いた際の復習などの参考にしてください。
 今回は全体的なコメントです。

【全体についてのコメント】

○平均点・難易度について
 2014年度は平均点が66.32点と昨年度(62.13点)に比べ4点ほど上がりました。ここ5年は60点台で推移しているので,特に易化したわけではなく,センター試験としては標準的な問題と考えてよいでしょう。次年度もこの傾向が続くと考えてよいと思います。ただ,今年度は難問と易問の差が激しく,誰でもできる簡単な問題を入れることで平均点を調整した感じがします。これは昨年度からの傾向です。ちなみに正答率の低い差がつく難問が15問程度,正答率が高い(誰でもできる)易問が8問程度あったと考えられます。70点はそれなりに学習していれば取れますが,90点以上の高得点をとるためには丁寧な学習が必要です。
 特に難問を落としている受験生は,歴史用語を知っている,というだけで,その用語の意味や他の事項とのつながりが意識できていないのではないかと思われます。そのため,知らない用語,難易度の高い用語が出題されると,正誤の判断ができず,知っている用語を手掛かりに消去法で解くこともできていないようです。センター試験は,歴史用語や西暦年を知っているだけでは高得点がとれないのです。

○出題形式について
 今年度も例年通り,文章正誤問題が出題の中心でした。正答率が低めになる年代順配列問題が昨年度の3問から5問となりましたが,想定の範囲内の出題だったと言えます。地図や写真などの図版を利用した問題も増える傾向にあり,学習の際には,図説資料を有効に活用する必要があります。
 近年,目立つのが各大問のパターン化です。第2問の古代では,教科書に掲載されている基本資料の出題が2011年より続いています。今年は『魏志倭人伝』でした。第4問の近世では,2011年から初見史料の出題が続いています。正答率が高い問題が多いので,その場で慎重に対処すれば警戒する必要はありません。第5問では,グラフ・表の読解を要する問題が3年連続の出題でした。普段から図説資料などでグラフや表を見て意味を考える訓練をしておきたいところです。中でも,地図の問題(問題番号24)と表の読解問題(問題番号28)は特に正答率が低かったので注意が必要です。

○時代について
 昨年度は近現代の平均点が低く,難問が多かったのですが,今年度は中世・近世の平均点が低く出ました。ただ,例年は近現代に正答率が低い問題が固まるので,近現代についての学習は慎重にしておきたいところです。今年度は,原始の単独設問が2問出題されました。2009年以来の出題となります。次年度はどうなるかわかりませんが,選択肢のレベルでは出題されるので,原始の学習で手を抜いていいということではありません。現代史の出題も例年並みですが,昨年同様,近代と現代をまたぐ設問が増えています。第1問の問6(問題番号6)の産業別の就労者の構成比のグラフや,第6問の問5(問題番号33)の満州事変以前の軍事産業の問題です。問題番号6は簡単な問題でしたが,問題番号33は正答率の低い問題でした。現代史の学習がしっかりできていない受験生が多いということでしょうか
 いずれにせよ,センター試験では時代による出題の偏りはありません。すべての時代について丁寧に学習しておく必要があります。

○分野について
 今年度は,外交史の出題が極端に減り,政治と社会経済の出題が中心でした。何年かおきに外交史の出題が極端に増えるのですが,それが昨年度だったということでしょうか。必ずしも「国際的視野=外交史」ということではないと思いますが,少し極端な感じはします。一方で,文化史は今年度も4分の1程度は出題され,安定しています。正答率の低い問題が必ず文化史に含まれます。高得点を狙うなら文化史の学習を丁寧にやりましょう。政治や外交では正答率の低い問題が少ないのです。高校によっては文化史を授業時間の都合などで扱えない(扱わない)場合もあります。特に学校の授業を中心に学習を進めている高3受験生は学校のカリキュラムに注意しましょう。

 今回はここまでにします。次回から個別設問について,第1・2問の分析をします。