第3問 問3(問題番号15)
 鎌倉時代の社会・経済に関わった人々に関する問題。正答率は標準。
ただし,③の誤答を選んだ人が多いと思われます。作成部会は「鎌倉や借上といったキーワードをしっかり理解できていないことが誤答の原因と思われる」としており,やはりキーワードは「大原女」ではなかったようです。高校教員からの目立ったコメントはありませんでした。

第3問 問4(問題番号16)
 南北朝・室町時代における外交の変遷についての理解を問う問題。正答率はやや低め。
今年度の設問の中で最も正答率が低かったと思われます。作成部会は「選択肢中の懐良親王については教科書の頻度も低く,それが誤答の原因であったと思われる」としつつも,「関連項目の基本的な理解があれば十分に正解にたどり着けたはず」としており,妥当な分析でしょう。高校教員も「受験者にとってなじみの深い語句は,足利義持だけであり,懐良親王や源道義という語句は,かなり難しいように見える」としつつも,「南北朝の動乱が足利義満によって終息したという基本的な流れと、明が海禁政策をとっていたこと、そして一国の王と認められて初めて朝貢がかなうという中国による冊封体制の本質が理解できていれば、正答が導ける出題であった」としており,これも妥当な分析でしょう。要は「Ⅱ…明が倭寇の取締りを要求した」ことの意味や,「Ⅲ明皇帝が「源道義」を「日本国王」とした」ことの意味を理解していればできるということです。歴史の理解を軽視して,用語暗記を重視する学習をしていてはいけないのです。

第3問 問6(問題番号18)
 戦国時代の政治に関わる事件についての問題。正答率は標準よりもやや低め。
 作成部会は「室町期の政治体制が崩壊し克服される過程に関する理解不足」と言っていますが,そういう問題には思えません。「下剋上に絡んだ戦国大名や武家の氏名が選択肢に複数見られたことが、誤答の主たる原因であった」とこちらが正答率が低い原因でしょう。要は語句の知識に頼った問題であったということです。高校教員も「堀越公方を滅ぼしたのが北条氏康であるかどうかの判断が求められたが、やや細かな事項と思われる」と言っており,同感です。

第4問,第5問は特筆すべき設問はありませんでした。

第6問 問2(問題番号30)
 民政党内閣期の外交政策に関する問題。正答率は低いもの。
 作成部会は「単に事項の起きた年代を問うのではなく、政権を担った政党の性格を考えて選ばせるようにした」といっており,高校教員も「立憲民政党内閣について問うており、やや難しくはあるが、まだ衆議院が機能していたことを示すリード文と併せて考えれば、正答を導くことができた良問」といっています。過去にも,昭和初期の政党制時期を問うものはよく出題されており,単なる用語暗記にとどまらず「政権を担った政党の性格」を意識しながら学習をすすめなければいけないということがわかります。

その3へつづく