今回は現代史の問題です。

◆第6問 問6 問題番号34 ◎占領政策とその転換

問6 下線部eに関連して,占領期の公職追放とその解除について述べた文として正しいものを,次の①~④のう
 ちから一つ選べ。

  ① GHQは,保安条例を発令して軍国主義的な教員を追放させた。
  ② 朝鮮戦争に参戦するため,追放を解除された旧軍人らを中心に保安隊が新設された。
   ③ GHQは,日本共産党幹部の公職追放を指示したが,朝鮮戦争が始めると国内安定のために解除した。
 ★④ 1950年代には,追放を解除された政治家を首班とする内閣が生まれた。

 半分ぐらいの受験生しかできなかったと思われる問題です。誤答は③と①が多かったようです。①を選んだ受験生は保安条例を知らなかったのでしょうか。自由民権運動のなかで出された弾圧法令の一つで,大きく時代がズレています。③は第二次世界大戦前からの「日本共産党の弾圧→政治犯釈放→レッドパージ」という展開と朝鮮戦争との関係がわかっていなかったのでしょうか。ある意味,この問題は太平洋戦争前から戦後の展開を理解しておく必要のある問題です。④は鳩山一郎を想起できればいいでしょう。
 

◆第6問 問8 問題番号36 ◎戦後の疑獄事件と内閣

問8 下線部bに関連して,第二次世界大戦後の疑獄事件に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて,古いものから年
 代順に正しく配列したものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。

Ⅰ 米航空機の売り込みをめぐる収賄疑惑により,前首相が逮捕された。
Ⅱ 昭和電工事件が発覚して,片山哲内閣から2代続いた3党連立内閣が倒れた。
Ⅲ 造船疑獄事件をめぐって首相への批判が高まり,戦後初の長期政権が崩壊した。

  ① Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ     ② Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ     ③ Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
★④ Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ     ⑤ Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ     ⑥ Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ

 解答は④ですが,誤答はいろいろありました。現代史を学習していれば簡単だったのではないでしょうか。Ⅰはロッキード事件で,「前首相」は田中角栄です。Ⅱは昭和電工事件に片山哲と内閣名も出ています。Ⅲは造船疑獄事件は知らなかったとしても,「戦後初の長期政権」で吉田茂内閣(第2次~5次)とわかればできるでしょう。
 いずれも基本事項ですが正答率は低めに出ていたようです。

 実は,参照していませんが,問題番号35の「55年体制下の政治」についても正答率はそんなに高くなかったのです。
 ここから推測するに現代史を「学習した受験生」と「学習していない受験生」の差がでたのではないでしょうか。選択肢に出ている事項はすべて教科書にある基本的な事項です。問題が難しくてできなかったとは考えにくいところです。つまり,現代史は学習さえすればできるような問題が多いと言えます。現代史まで学習が届かない受験生(特に現役の高校生)は意外に多いのではないでしょうか。
 今年度の現代史問題は4問で配点は合計11点です。落とすと痛いですね。センター試験における現代史整理のポイントを整理しておきます。

〈現代史整理のポイント〉
1.1993年=55年体制崩壊まで学習しておくこと。
2.整理の際に,占領期,1950年代,1960年代,1970年代,1980年代,1990年代に分けて,各時期の特徴を大づかみすること。
3.2を意識しながら,内閣ごとの主要な出来事が列挙できること。
 この3点を意識しながら,現代史は整理してください。センターの出題に即した整理になります。

 以上,今回で2012年度のセンター日本史Bの分析を終えたいと思います。