名古屋大学については,解答速報を担当した上に,「青い本」も書くので,感想程度の簡単なコメントだけということで。(問題はこちら)

 今年度は大きな変更がありました。例年は,問題Ⅰ古代・中世,問題Ⅱ中世・近世,問題Ⅲ近現代(年度によって多少違う)という構成だったのですが,今年度は,問題Ⅰ・Ⅱの大問2題の構成で,それぞれ原始・古代~近現代のテーマ史となっていました。次年度も,大問2題の構成が続くかどうかはわかりません。難易度は例年並みでした。

問題Ⅰ 古代~近代の自然災害
 今年度は,多くの大学で出題されている自然災害などをテーマとするリード文からの出題です。テーマはあまり,読んだことのないような内容だと思いますが,設問は教科書のレベルで解答できる基本的なものが中心です。

問1.古代。御霊会について。
問2.中世。祇園祭の再興について。
問3.古代。早良親王が粛清された事件について。
問4.中世。平頼綱の台頭と没落。
問5.中世。永仁の徳政令について。
問6.近世。寛永の大飢饉後と天明・天保の大飢饉後の幕府の対策の違いについて。
問7.近代。日清戦後の軍備拡張政策について。

基本的には,教科書の内容ですべて解答できます。ただ,問6が受験生にとっては難しかったのではないでしょうか。問4は史料から平頼綱が討伐されたことがわかれば解答できるでしょう。問7はグラフ内のアイが軍事費であることさえ推測できれば基本事項でしょう。

問題Ⅱ 原始~現代の人々の移動と定住
 出題が古代と近代に偏っているので,出題者が2人というのが想像できます(笑)テーマは聞き慣れないと思いますが,こちらも,問題Ⅰと同様,出題の多くは教科書の内容で十分解答できます。

問1.原始。縄文時代に定住化が進んだ理由。
問2.古代。律令国家の国家的な事情による人々の移動のあり方。
問3.古代。律令国家の浮浪人対策について。
問4.近代。士族授産が行われた歴史的経緯。
問5.近世・近代。江戸時代初期から明治初期のアイヌ政策。
問6.近代。産業革命期の繊維産業に従事する労働者。
問7.近代。昭和恐慌期の農村復興策。
問8.現代。太平洋戦後のインフレ解消の政策。
問9.空欄補充問題。開拓使・蝦夷地・屯田兵・札幌農学校。
 
 問3は史料から浮浪人対策の内容を読み取ることができればいいでしょう。問題Ⅰ・Ⅱを含めて,史料や図版の読解問題が減りました。何問かは出題されていますが,読み取るほどではないです。昨年度は面白い問題が多かったのですが…。次年度の出題に期待しましょう!
 ちなみに2011年度の名大実戦の問題Ⅲで,地租改正について,紡績業と貿易の関係,世界恐慌の農村への影響,高橋蔵相の貨幣政策,金融緊急措置令・傾斜生産方式の空欄補充を出題したのですが,微妙にずれたんですよね…金融緊急措置令と傾斜生産方式の空欄補充は,「問8で的中!」って言っていいですか?(笑)