前回の続きです。問題や解答・解説は「データ集」にあります。

(5) 2008年 本試験 第4問 問2  20 内容から時期を判断する年代順配列

 この問題は,半分弱ぐらいの出来だったでしょうか。解答がわかった受験生と,わからなかった受験生の差が大きかったのではないでしょうか。Ⅰは「銀座の開設」とあるし,江戸時代初期だろうという推測は容易にできたと思いますが,Ⅱ・Ⅲは,知識があいまいだった受験生は何のことかもわからなかったでしょう。判断する時期の幅は大きいので,江戸時代の貨幣の流れを理解していれば簡単な問題です。理解を問うという意味では良問でしょう。

(6) 2008年 本試験 第4問 問5  23 3文の正誤問題

 この問題は半分程度の出来で,正解は①ですが,②の誤答が多かったようです。Yを誤文と判断して間違った受験生が多かったようです。江戸時代に琉球王国が薩摩藩の支配下にあったことは,わかっていたと思いますが,「琉球を通じて中国との密貿易」の「中国との密貿易」という表現で引っかかったのでしょうか?薩摩藩が「琉球との密貿易」で利益を得たことは,藩政改革などから知っている受験生は多いと思いますが,「中国との…」となると,受験生は戸惑うのでしょう。やはり,江戸幕府が「鎖国」体制の中で,海外とどのようにつながっていたかをしっかり理解する必要があります。

(7) 2006年 本試験 第4問 問4  23 知識を問う正誤問題

 この問題は半分程度の出来だったようです。江戸時代は,どうしても社会経済に関する問題が多くなりますが,苦手な受験生が多いのでしっかり学習してほしいところです。この問題は,単なる知識問題といっていいでしょう。しかし,受験生にとっては,②納屋物と蔵物,③河村瑞賢と角倉了以など紛らわしい語句を利用した問題です。④はやや細かい内容を問うているようにも思いますが,①の茶が開国した後の主要な輸出品であることを知っていれば問題ないでしょう。いずれにせよ,しっかり知識の整理をしておいてほしいところです。差が付く問題といえるでしょう。

(8) 2006年 本試験 第4問 問6  24 文化史の知識を問う正誤問題

 この問題は半分弱ぐらいの受験生しかできていなかったと思われる問題です。誤答は割れていたようなので,学習の差がはっきりついたのではないでしょうか。④が誤文なのですが,センター試験にしてはめずらしく,著書や思想の内容で正誤の判断をさせています。センター試験の文化史に関する多くの問題は,基本的に「時期の判断」が,「作品-作者の判断」かのいずれかになります。そういう意味では,一問一答の暗記知識を中心とする学習をしていたのではわからなかったのかもしれません。しかし,山鹿素行が活躍した時代は元禄文化=江戸時代前半だと考えれば,「貿易拡大=開国貿易論」が出てくる時期ではないと推測できるのではないでしょうか。高度な判断を要求しているとは思いますが,通史を学習するということはそういうことだと思います。ただし,「作品-作者」を覚えなくてもいいということではないので,誤解しないでください。

(9) 2008年 本試験 第1問 問5  5  時代の幅を広くとった正誤問題

 この問題の正答率は半分以下だと思われます。③の誤答が若干多かったようですが,神道に仏教の影響があることを理解していなかった受験生が多かったのでしょう。やはり,神仏習合を理解せずに一問一答で覚えているだけでは不十分だということがわかります。ただ,この問題は④が明らかな誤りなので,③の唯一神道に関する知識がなかったとしても,正解は出せるはずです。神仏習合に関連する問題はセンター試験では頻出です。過去問をしっかり解いていけばわかるでしょう。

 今回は以上です。