「データ集」にセンター日本史B難問集の近世編の解答・解説をアップしました。今回は近世編の分析です。

(1) 2006年 本試験 第4問 問2  20  3文の正誤問題

 この問題は,江戸時代の農民についての問題ですが,③が正答ですが,正答率はかなり低かったと思われます。④の誤答がかなり多く,Yの判断で誤った受験生が多いのは明らかです。山川出版社の『詳説日本史B』には,離縁状とも三行半とも記述がありませんし,Yの判断ができるほど授業では話をしない先生が多いでしょう(私もそうです)。受験生にすれば,本当に初めてに近い内容で,考える材料もなかったのではないでしょうか。ちなみに三行半についてはブログの記事「三行半(三下り半)で再婚が認められたのか? 」を参考にしてください。

(2) 2007年 本試験 第4問 問6  24  時期の判断と見せかけて内容の判断

 正答率はかなり低かった問題です。しかし,この問題はちょっとずるいですね。ウの人物(三井高利)の生きた時期は,リード文から(1622年→1694年)ほぼ17世紀とわかるので,ウがわからなくてもよいのですが,X・Y・Zとも,17世紀のできごとに該当します。「~時代の出来事」というからには,時代の判断ができる選択肢を入れて欲しいものです。「時代」を考えていた受験生が悩んだのではないかと推測しています。また,XとZの判断に迷った受験生が多いと思われますが,特にZの「高山右近の旧領」というのを判断させるのは,センター試験の出題としては細かい内容ような気がします。

(3) 2006年 本試験 第4問 問4  22  空欄補充問題

 この問題の正答率は半分を切る程度だったと思われますが,やはり国訴がわからな以受験生が多かったようです。リード文には,「木綿や菜種の流通独占に反対して…」とあるので十分なヒントはあったと思いますが,受験生は国訴をどう理解しているのでしょうか?少しヒントが少なかったのかもしれません。また,山川出版社の『詳説日本史B』には国訴の記述がなく,山川『日本史B用語集』によれば,用語頻度⑦と知らない受験生が多かったのかもしれません。問題の内容から考えても,悪問だとは思えないし,重要な内容だと思うのですが。

(4) 2010年 本試験 第4問 問5  17  文化史的な内容の年代順配列問題

 この問題も,できたのは半分弱の受験生だと思われます。文化史と年代順配列という受験生にとっての難問が2つ重なれば,正答率が低いことは予想できます。どうしても文化史は一問一答の暗記知識の詰め込みになりがちだと思います。それが大きな問題ではないでしょうか。洋学(蘭学)の発達を流れとして理解できていない受験生が多かったと思います。2011年度の第4問の問6も,洋学の理解が出来ていなかったことが原因で正答率が低かったと考えています。文化史をいかに理解するかは課題です。

参考 2011年 センター日本史B 本試験 ~設問分析 その4~    
    2011年 センター日本史B 試験問題評価委員会報告書について~「問題作成部会の見解」を中心に その2~ 

今回はここまでで,続きは次回にします。