今回からセンター試験の過去問で2006~2010年(現過程)の分から,多くの受験生ができなかった,あるいは差が付いたと思われる問題をあげ,それを分析します。それにより,弱点を見つける参考にしてもらえたらよいと思います。問題はすべて別館の「データ集」にあげてあります。解答・解説も付けてあるので,受験生は問題を解いてみてください。今回は「原始・古代編」です。問題はそちらを参照してください。また,問題の解き方に特化した詳しい解説は「データ集」にアップしてあります。

(1) 2006年 本試験 第2問 問1  7 組合せの正誤問題と図版
 この問題は正答率がかなり低かったと考えられます。現行の過程に入った1年目のセンター試験でした。組合せの正誤問題で,aとbの判断は多くの受験生が出来たようです(それでも比較的低目と思われます)。④が正答なのですが,cとdの判断に迷い③の誤答をした受験生が非常に多かったようです。この問題については2つの解き方が考えられます(詳細は解説で)が,近年のセンター試験の傾向でリード文や与えられた史資料から歴史的な知識を背景に考える問題と考えるべきでしょう。おそらく,できなかった受験生はリード文や図版が十分に活用できなかったのでしょう(もちろん背景知識もいるのですが)。2006年以降のセンター試験は,史資料を分析させる意欲的な問題が多くみられます。リード文はしっかり読み,史資料を丁寧にチェックして問題にあたりましょう。

(2) 2010年 本試験 第2問 問3  9 正誤問題と史料読解 
 この問題は,史料を読み取ればよいだけの問題でした。史料の下線部(b)とその前後の文章を読めば,④が誤りだとすぐにわかったはずです。誤答が多かったのは,知識が邪魔したのでしょうか?センター試験の史料読解問題では,必ずしも,教科書的な知識だけで解けない問題が出題されます。この設問のように史料を参考にして解くことを要求されている問題では,客観的に史料を読むことで解答が導き出されます。つまり,史資料を扱う能力を試しているのです。また,②の誤答が比較的多かったのですが,『日本書紀』に掲載されている「改新の詔」の内容に潤色があり,疑問視されていることを「誤っているもの」と勘違いしたのでしょうか?

(3) 2006年 本試験 第2問 問2  8 年代順配列問題
 この問題は,正解を出せたのが半分以下だったと思われます。年代順配列問題は比較的正答率が低く,苦手とする受験生が多いのです。都の造営を読んだ和歌からの問題なのですが,実際は( )内のヒントを参考に解けるようになっています。①が正答ですが,誤答は③④に集中しているようです。おそらく,Ⅱは藤原宇合,Ⅲは「恭仁の都」や橘諸兄政権と時期を限定するヒントが入っているのですが,Ⅰは明確に時期を限定できる用語が見当たらなかったため,時期の判断に迷った受験生が多かったのでしょう。Ⅰは天武天皇を称える歌(「天皇の神格化」というヒントもあるが)としては有名なのですが,それを知らなければ「大伴御行の歌」では判断できなかったと思われます。これは難問と言えるでしょう。
参考 センター試験の日本史について ~「いつ(時期)」をどう考えるか~    
    センター試験の日本史について ~年代順配列問題~  
 
(4) 2009年 本試験 第2問 問3  9 空欄補充問題
 この問題は,半分強の受験生が間違ったと考えらえれます。基本的な知識問題だと思うのですが,イの出挙よりも,アの「毎年」を,「6年ごとに」と間違った受験生が比較的多かったようです。リード文に「計帳」とあるので,間違ってほしくない問題です。

 (その2へつづく)