第1部 鎌倉幕府と天皇 河内祥輔
 時期としては,院政期から鎌倉幕府滅亡までを扱っています。
 河内氏は,平安時代以降,天皇と摂関が協調し,貴族全体がそれを支持する,という形こそが朝廷にあるべき姿とみなされ,「正統」の天皇が立つときに朝廷は秩序が安定するというのですが,院政期から鎌倉時代にも同じことが言えるのか?と思うと納得はできませんでした。「正統」の天皇が立って朝廷が安定したというのは結果論ではないのかなあ…。

第2部 「古典」としての天皇 新田一郎
 時期としては,建武の新政から応仁の乱後までを扱っています。
 新田氏の文章はむずかしいのですが,室町時代の公家と武家の関係の推移がわかったような気がします。室町時代の天皇・公家は授業ではほとんど扱うことがないので,考えるいい機会になりました。特に足利義満政権において、単純に武士達が公家政権に優位にたち、支配したということではなく、武士を従える義満が、公家政権の頂点に立ち、公家社会の方法で武士達の持つ武力を組織化したというのは,あまりイメージになかったので今後の参考にしたいと思います。
 第2部は面白かったですね。