大学受験の日本史を考える

大学受験予備校で日本史講師をしている鈴木和裕です! 大学受験の日本史について思いつくままに書いていきます!

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2012年08月

教育研究セミナー(大阪)について

 もうすぐ,大阪での教育研究セミナーです。
 
 8月19日(日) 大阪学院大学

 対外関係の理解を深める~近現代・中編~

 東京ですでに実施した内容と同じです。大阪で参加される先生方,よろしくお願いします。

 今回も,セミナー終了後に懇親会を実施したいと思います。あくまで,駿台とは関係ない私的な会となります。参加費用も実費となりますが,時間のある先生方は是非,ご参加ください。
 懇親会に参加される先生は当日,声をかけてください。詳細は当日連絡します。

センター日本史B 「年代順配列」問題集(2012~2000) 取扱説明書 ~後編~

 前回の続きです。問題データはHP「大学受験の日本史を考える データ集」の「センター日本史B 問題集」にあります。

◆年代順配列問題の解き方

 まず,年代順配列問題を解く時に何を考えますか?
 一番最悪なのは,Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,それぞれの文章の西暦年を思い出そうとすることです。よくセンター日本史の解説で「Ⅰ=〇〇年,Ⅱ=〇〇年…」としているものがありますが,その考え方はおかしいのです。センター試験の出題者はそういう解き方を想定して出題しているのではありません。大学入試センターが毎年発表する試験問題評価委員会報告書の「問題作成部会の見解」を読めばわかります。それに西暦年を思い出せなければあきらめますか?また,西暦年が分からない文章もあります。以下の問題を見てみましょう。

◎2010年 本試験 第2問 問6 問題番号12 

9世紀以降の政治構造の変化に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて,古いものから年代順に正しく配列したものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

Ⅰ 天皇が幼少のときには摂政,成人したのちには関白をおくことが通例となった。
Ⅱ 院の命令を伝える文書や院庁が出す文書が,荘園の認可などの国政に大きな効力をもつようになった。
Ⅲ 天皇の側近として,天皇の命令をすみやかに太政官に伝える蔵人頭が設けられた。

① Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ② Ⅰ-Ⅲ-Ⅱ③ Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ
④ Ⅱ-Ⅲ-Ⅰ⑤ Ⅲ-Ⅰ-Ⅱ⑥ Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ

 解答は⑤ですが,西暦年を考えてみましょう。Ⅰ・Ⅱは西暦年は分かりません。Ⅲは薬子の変だと考えれば810年と分かります。しかし,これでは解けません。
 Ⅰは摂政・関白の形成過程で平安中期(ちなみに朱雀天皇の時代ですが,センターではそこまでの知識はいらない),Ⅱは院政なので平安後期,Ⅲは嵯峨天皇の時代なので平安初期,ということで,Ⅲ→Ⅰ→Ⅱと分かります。実はこの問題,問題作成部会の見解によれば「内裏が政治の中心となった平安初期に蔵人所ができたこと、政治の貴族化とともに摂政・関白の地位が確立すること、院政期には内裏から離れた院庁が国政に関与するようになることの歴史的な段階差を理解しているかを問うている」のです。もちろん,受験生はそこまで難しく考える必要はありませんが,西暦年では解けない問題があることを分かってください。

 基本的には,「いつの出来事か」と「それぞれの事項のつながり」を理解していれば解けるのが年代順配列問題です。そのためには,知識を整理する際に「時代区分・時期区分」がしっかりできているかどうかです。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの選択肢の内容が,「いつの出来事か」に置き換えられれば,問題は解けます。
 そこで,問題を解く際,安易に「西暦年」を当てはめずに以下の項目を考えてみてください。時期区分がしっかりできていれば,できるはずです。

★問題を解くのに利用する時期区分
 ①時代区分,文化区分,世紀などの大きな時期を示すもの。
 ②近現代は1870年代,1880年代など10年刻みで時期区分ができているか。
 ③主に政治史では,各時代の権力者を当てはめる。→天皇・将軍・内閣総理大臣など時期によって違う。

 出題の傾向を見ていると,古代~近世について,政治史は③の判断が必要で,外交史・経済史は①の判断が中心です。文化史は①の文化区分で解ける場合が多いです。近現代については,②と③の内閣の複合です。ただし,文化史は①の文化区分,経済史は②の時期判断で多くの問題が解けます。
 つまり,①~③の時期区分を意識して知識を整理し,その時期区分を利用して年代順配列問題を考えれば,西暦年の暗記が要らないのがセンター日本史です。これらができるようになれば,時期の判断が必要な文章選択(正誤)問題も解けるはずで,語句をしっかり覚えている受験生なら高得点が望めるでしょう

 以上を実践するために作成したのが,「年代順配列」問題集です。特に年代順配列問題が弱点だと分かった受験生は,弱点を克服するために利用してみてください。
 とりあえず,問題と解答をUPしましたが,解説がありません。今後,仕事の合間を縫って,徐々に公開していきます。気長にお待ちください。
 また,解答ミスなどがあれば,HPのメールアドレス,ブログのコメントを利用して,ご連絡ください。
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