大学受験の日本史を考える

大学受験予備校で日本史講師をしている鈴木和裕です! 大学受験の日本史について思いつくままに書いていきます!

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『センター日本史 満点のコツ』(教学社)の刊行!

今年、最後に刊行予定だった本が、年内に間に合いました!
もうすぐ書店にも並ぶと思います。
Amazonのほうが、早いかもしれません。

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Amazonでは表紙の画像はアップされてませんね。
「こんな時期に遅い!」と思われるかもしれませんが、センター直前の「こんな時期」だからこそ読んでほしい本です。

2015-12-10-16-23-33


「まえがき」には、本書のねらいが書いてあります。
タイトル通り、センター日本史Bでは満点が取れることを前提に、「満点のコツ」として高得点を取るための方法論をまとめたものです。
満点を取るためには「正しい学習」が必要です。第1章では学習の基本をまとめていますが、さすがに受験直前のアドバイスではありません。
第2章ではセンター日本史Bの問題形式を分析することで、高得点を取るためにはどのような知識が必要かを整理し、どのように考えればよいかを解説しています。
第3章では、原始・古代から近現代まで、時代・テーマごとに難問を分析します。ここでは大学入試センターの開示したデータをもとに、「正答率60%未満」を難問としています。満点を取るためには、過去問を解いて「弱点」を発見し、それを攻略しなければなりません。しかし、意外に何ができていないか、というのは自分では発見できないものです。そこで、多くの受験生が間違える問題から学ぼうというのが第3章の狙いです。受験直前で過去問を解いている受験生に役立つのは、この章です。

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センター試験の直前となり、多くの受験生は過去問演習をしていることでしょう。
過去問を解いても、60〜70点ぐらいまでの得点で止まっていて、なかなか高得点が取れない受験生に是非読んでほしい本です。
必ず得点を上げるためのヒントが見つかるはずです。

次に受験生となる高2生は、本格的に受験勉強を始める前に読んで下さい。
特に第1章、第2章で日本史の学習に必要な知識は何かがわかるはずです。第3章は過去問を解き出してから、もう一度読めばいいでしょう。

この本を読んだ受験生が「満点」を取れるように願っています!


2015年センター日本史B本試験の難問分析 ~その4~

2015年のセンター日本史B本試験の難問分析の最終回です。

◆第6問 問3 問題番号31

問3 下線部(c)の人物[安井曽太郎]に関して述べた次の文X・Yについて,その正誤の組合せとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

 X 「悲母観音」などの優れた日本がを制作した。
 Y 美術団体の二科会に参加した。。

  ① X 正  Y 正② X 正  Y 誤
 ★③ X 誤  Y 正④ X 誤  Y 誤

 またもや2文正誤ですが,文化史,それも絵画史となると半分以下の正答率も頷けます。文化史を弱点として残しておくと,高得点は取れません。「悲母観音」,二科会以前に安井曽太郎を知らなくて,適当に解答した受験生が多い気がします。日本画・西洋画の区別ぐらいはできるようにしておきたいところです。文化史攻略の攻略ポイントは文化区分と「グループ」分けです。近代文学なら写実主義か,ロマン主義か,自然主義かなど,どのグループに属する作家か,作品かなどをおさえておきましょう。それが正誤問題のポイントです。


◆第6問 問5 問題番号33

問5 下線部(d)に関連して,日中戦争勃発前後の政治・文学に関して述べた次の文a~dについて,正しいものの組合せを,下の①~④のうちから一つ選べ。

 a 第1次近衛文麿内閣は,中国に宣戦布告し,全面戦争への決意を示した。
 b 北京郊外で起こった日中両軍の衝突は,その後,上海などへも波及した。
 c 報道の検閲は厳しかったが,小説は検閲の対象外であった。
 d 政府の弾圧により,プロレタリア文学者が転向を迫られた。

 ① a・c② a・d③ b・c★④ b・d

 これは半分強の受験生ができていましたが,誤答が②に偏っています。aとbの判断ができなかったようです。やや些末な内容でしょうか。aが正文だと思った受験生とbが誤文だと思った受験生がいたでしょうか。aは「宣戦布告した」というのが誤りなのですが,宣戦布告はしていないのです。アメリカの中立法を避けるためだったのですが,そこまで知っている受験生は少ないでしょうか。山川出版社の『詳説日本史』では脚注に「日中両国ともに,アメリカの中立法(戦争状態にある国への武器・弾薬の禁輸条項を含む)の適用を避けるためなどの理由から,正式に宣戦布告はしなかった。」とありますが,なかなか着目しにくいところです。またbについては「盧溝橋事件→南京占領」という事項のみを整理している受験生が多いのではないでしょうか。第2次上海事変を知らない受験生多かったのでしょうか。
 一見,細かい内容に見えても,センター試験の出題者が教科書を参考にしているのがよくわかる問題です。


◆第6問 問6 問題番号34

問6 下線部(c)に関連して,日本軍が占領した都市について述べた次の文X・Yと,その都市の所在地を示した下の地図上の位置a~dとの組合せとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。

  X 日中戦争勃発時に中華民国の首都がおかれていた。
  Y イギリスの支配する植民地であった。

   ※地図は省略


  ★① X-a Y-c② X-a Y-d
   ③ X-b Y-c③ X-b Y-d



 45.0%→34.57% ③20.6 ②20.3 ④11.8

 驚いたことに2013年の出題とほぼ同じ問題といってもいいでしょう。同じシンガポールの判断をさせています。しかし,正答率は3分の1程度でやはり受験生が地図,それもアジアの地図を出されるとできないというのがわかりました。なぜ2013年に出題されているにも関わらず,多くの受験生が対策をとっていないのでしょうか?センター試験は教科書と過去問です!過去問を解いていながらそこに着目しない受験生が多いことに驚きです。Xは南京,移動した重慶と間違ってはいけません③を選んでいる受験生が多いことを考えると,文章を読み違ったのでしょうか。Yはシンガポールです。確かに難問なのですが,2013年の問題を覚えていた受験生は解けたでしょう。ちなみにdはバタヴィアでオランダ領です。


●2013年 第6問 問6 問題番号34

問6 下線部(e)に関連して,日中戦争以後の日本軍の作戦行動にかかわる都市について述べた次の文X・Yと,その都市の所在地を示した下の地図上の位置a~dとの組合せとして正しいものを,下の①~④のうちから一つ選べ。  

  X 中国の国民政府が首都を移したこの都市には,日本軍により繰り返し爆撃が行われた。
  Y イギリスの植民地であったこの都市とその周辺地域では,反日活動の疑いをかけられた中国系住民(華僑・華人)が,日本軍により殺害された。

  ※地図は省略

 ①X-aY-c
 ②X-aY-d
 ③X-bY-c
 ④X-bY-d

 以上で2015年のセンター日本史B本試験の難問分析を終わります。
 これらの分析を実戦的に攻略していくために書いたのが,以下の本です。過去問で高得点をとれずに困っている受験生にお勧めします!


 



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